Partager

Case.3 種違い兄弟の大騒動

Auteur: satomi
last update Date de publication: 2026-03-02 07:51:23

うむ、ここに頼むしかないな。では行かん!

「秘書も運転手も俺がここに来たことは忘れるように。いいか?『忘れる』んだぞ?」

「「わかりました。仰せのままに」」

「「いらっしゃいませー」」

 何と言うか、イケメンが対応なんだな。普通の喫茶店のようだが?見渡せば客は女性ばかりのようだな。

「ご注文をよろしいでしょうか?」

「カフェラテを。ラテアートはドロップで」

「かしこまりました。しばらくお待ちください」

悟(さとる)・「どう思う?」

悟は器用にもカフェラテを作りながら小声で話しかける。

尊(たける)・「うーん、来店前に黒塗りの外車が店の前に止まってたんだよなぁ」

尊悟・「「うーん」」

尊・「とりあえず、話を聞いてからだな!お前はラテアートを描いて」

悟・「兄貴はこういうの苦手だもんねー」

尊・「なにおう!!」

「ちょっとちょっとー、イケメン兄弟が口喧嘩よー。なんか眼福でごちそうさまですって感じよねー」

「うわー、私見逃した!」

「滅多に見られないもんね。ここだって、不定休だし、いきなりcloseになってたりするし」

常連になりつつある客が小声でザワザワと騒ぎだす。

―――2時間後

尊・「遅くなりましたが、ご用件は?」

(俺は交渉担当なんだよ!ラテアートとかは悟の担当だ)

「私はこういう者です」

 差し出された名刺には、有名企業の‘代表専務’とあった。

「私以外の代表専務を事故に見せかけて殺してほしい」

尊・「えー、当方は殺人はしませんが。とりあえず話を伺いましょう」

「‘代表専務’というのは名誉職でというか、作られた名誉職で私を含めた代表専務は7名います。その全員が父の愛人の子です」

尊・「本妻の子は?」

「本妻には子はいません。よって、代表専務が私だけになれば会社・その他諸々が私のものになるというわけです」

尊・「つまり、遺産相続ということですね?」

「まぁ、平たく言うとそうですね」

尊・「では、2週間後にまたここに来てください。そのときにお返事を致します」

 尊は聡と悟に説明した。

聡・「うちは殺人はしないと決めてる!」

悟・「こないだ偽装で殺人したじゃん」

聡・「それはそれ、これはこれだ!」

尊・「なーんか胡散臭いんだよねー」

 尊は名刺を指ではじきながら言った。

尊・「キャサリーン!悪いんだけど、この会社に潜入して調査してくれる?」

キ・「任せて!何のために日々男装してると思うの?男の格好してるとねぇ、男からは上司の愚痴、女からは同僚の愚痴が聞けるのヨ」

聡尊悟・(((男装……??)))

―――翌日

  ここに頼むしかないな。はぁ。

「秘書も運転手も俺がここに来たことは忘れるように。いいか?『忘れる』んだぞ?」

「「いらっしゃいませー」」

「ご注文をよろしいでしょうか?」

「カフェラテを。ラテアートはドロップで」

「かしこまりました。しばらくお待ちください」

―――2時間後

尊・「遅くなりましたが、ご用件は?」

「私はこういう者です」

 差し出された名刺には、有名企業の‘代表専務’とあった。

(マジかよ?俺、ため息出そう……)

「私以外の代表専務を事故に見せかけて殺してほしい」

尊・「えー、当方は殺人はしませんが。とにかく話を伺いましょう」

「‘代表専務’というのは名誉職でというか、作られた名誉職で私を含めた代表専務は7名います。その全員が父の愛人の子です」

尊・「本妻の子は?」

「本妻には子はいません。よって、代表専務が私だけになれば会社・その他諸々が私のものになるというわけです」

尊・「つまり、遺産相続ということですね?」

「平たく言うとそうですね」

尊・「では、2週間後にまたここに来てください。そのときにお返事を致します」

尊・「キャサリンが調査中だよな」

悟・「結果はまだ先だけどさぁ……」

聡・「これって、まさか……」

聡尊悟・「「「あと5人続く?」」」

尊・「俺、面倒。悟、替わって!」

悟・「えー、やだよ。俺は大人しくラテアート描いてるから。尊兄はラテアートできないだろ?」

尊・「……(どーせ俺は不器用だよ)」

翌日から続くこと5人、同じように自分以外の‘代表専務’の殺害を依頼してきた。予想通りだけど、対応が面倒臭い!

尊・「はぁ、もう1週間は代表専務との交渉しなくていいな。なんだかスッキリ」

聡・「お前はそうかもだけど、そんな中キャサリンは調査してんだからお前も頑張れよ」

尊・「へぇーい」

 そう言って俺は店のホールの方に足を踏み入れた。窓の外、何だろう?黒塗りの車から車いすに乗った壮年の男性と車いすを押す女性が見える。

「「いらっしゃいませー」」

「ご注文、決まりましたらお呼びください」

「カフェラテ。ラテアートはドロップ」

「お義父さん、もうちょっと柔らかく……」

「すいません。カフェラテを一つ。ラテアートはドロップでお願いします」

「かしこまりました。しばらくおまちください」

尊・「不審だ…。二人なのに、注文が一つ……。キャサリンに任せてるし、肩の荷が下りたと思ったのに、嫌な予感。」

悟・「兄貴は心配性だなぁ。大丈夫だよ!」

瀬・「不肖、私も見ております故……」

尊悟・((瀬蓮!ありがとう!瀬蓮は壁に馴染んじゃって気配がよくわからないけど、頼りになる~))

―――1時間半後

尊・「で、用件は?」

「すまん!うちの愚息どもが!!」

尊・「??……とりあえず頭をあげてください」

「とにかく名刺を……。おい、頼む」

「わかりました。お義父さん」

 差し出された名刺には、最近ずっと来ては殺人依頼をしていた会社会長とあった。

尊・「……えー、息子さんたちは代表専務をしてらっしゃる会社でしょうか?」

「いかにも」

尊・「で、その会社の会長でお義父さまでよろしいでしょうか?」

「あー、息子たちが大変な迷惑をかけた。申し訳ない!!互いに殺し合うなど一族の恥!」

尊・「えーと、今日一緒にいらっしゃっている女性は?」

「おーおー、嫁にやらんぞ。私の身の回りの世話をしてもらっているが、恥ずかしながらこの子も愛人の子の一人でな。唯一の娘だ。可愛いかろう!」

(気のせいだよ。親の欲目100%だね、こりゃ)

尊・「えーと、それで私たちはこの後どのようにすればいいのでしょう?」

「息子共はおおかた私の遺産狙いだろう?」

(それ以外に何がある?)

「私の遺産だが半分は孤児院に寄付することにしている。顧問弁護士に書類を用意させている」

尊・「残りの半分は?半分でも相当な遺産になるのでは?」

「可愛い娘にと思っている」

尊悟・((へぇー))

尊・「はぁ、娘自慢が1時間続くと思わなかった……」

悟・「お疲れ~」

尊・「お前はいいよな。ラテアートの練習に逃げれるから」

聡・「娘、そんなに可愛いのか?護衛つけてるのか?」

尊・「それなんだよなー。可愛い自慢して、遺産も相続させるってのに護衛の一人もついてないんだよ。胡散臭くね?」

聡「キャサリンとも連絡とってみるか」

キャサリンはご立腹だった…。

キ・「もう!イケメン成分が補充できなくて、この会社なんなの?イケメンが全然いないじゃない!キィー!!」

聡「キャサリン、調査してどうだった?」

キ・「まぁ、イケメンはいない。ってのはそうなんだけど、あの代表専務達ね。普段から仲悪いみたいなの。兄弟仲は最悪ね。いっつも会っては服装とかでいがみ合ってるみたい。受付嬢が言ってたワ。あと、上司としても最悪な評価ね。自分はたいして仕事ができないくせにって部下に言われてたワ。これは休憩喫煙室で聞いた。

  不思議なのは、会長といつも一緒にいる娘ネ。この子のことは社内では噂になってない。会長の娘ってのは認識されてるけど、ソレダケ。会社の会議にも参加するし、一日中会長といるみたいよ。

  私ならあんなむっさいオッサンと一日中一緒なんて御免だけどネ」

悟・「なるほどねー。確かにあの娘、胡散臭い。会社の中枢の会議にも地味ーに出席してるしな」

尊・「悟、お前が車いすに乗ったおばさん(むっさい)と一日中一緒って耐えられるか?」

悟・「何の修行だよ(笑)。俺にいくら入るんだ?無償では無理。有償でもあんまりやりたくない」

聡・「あの子は有償なんだよ。『莫大な遺産』っていう」

尊・「そこまでは理解できた。護衛がいないっていうのは?」

キ・「はーい。わたしが社内で聞いた少ないウワサだとね。あの娘、格闘技の有段者なのヨ」

尊・「それにしても、飾りでも護衛つけるよなぁ?」

悟・「信用してるか、彼女がすさまじく強いかだよ!」

聡・「お前は楽観視し過ぎだ。暗殺ってのもあるからな。彼女の盾になる感じでも護衛いた方がいいと思うんだけど。あのおっさん、けっこう食えないな。キャサリン、頼む!おっさんを含めて主に彼女についても調査を続けてくれないか?」

キ・「聡クンに頼まれたらやるわヨ。彼女にはちょっと殺気ぶつけてみたりもしてみるワ。あー、もぅ。早く終わらせて、私のオアシス‘お命頂戴致します。’に戻ってくるワ。イケメン成分を補充に♡」

聡尊悟・「「「頼んだ」」」

その頃の噂の一人娘。

  ふふ、男共はお義父さんに嫌われるかのように互いに殺し合い。遺産は半分になっちゃったけど、残りは私が総取り!護衛なんていらないわ。私を狙う奴いないし、私自身孤児院で鍛えられたのよね。何故だか。弱いフリで狙われた方がイイかしら?ちょっと街のチンピラやとってみましょうか?護衛がいた方がソレっぽいわよね。

最初の依頼から2週間後

店に集まった面子を見て、代表専務の一人が言い放った。

「何だよ家族団欒じゃねーか」

「こん中の誰かがなんかやったんだろ?」

尊・「えー、お集まりいただき誠にありがとうございます」

「挨拶はいいから、結論を言えよ」

尊・「結論……よろしいですか?」

 尊はそれぞれの顔を見渡した。もちろん、娘と父も含め。

尊・「息子さん達はお互いに殺しを依頼してきました。そのことはお父様もご存じなので、親子でどうぞ話し合ってください。

 お父様の好きな娘様ですが、娘様はお父様よりもお父様が残す遺産の方がお好きなようです」

「ちょっと!勝手なことを言わないでよ。私はお義父さんが好きよ。信じて、お義父さん」

「もちろん信じているさ、娘よ」

尊・「遺産が半分になることには仕方なく了承したようです。それでも残りが『莫大な遺産』ですからね。不思議に思ったのは、彼女に護衛がいなかったことです」

「それはこの子が強いからだ」

 娘を見る目は相変わらずなんかすごい分厚いフィルター越しでは?と疑ってしまう。

尊・「それにしても、弾除けとかそういう理由で護衛をつけている人はたくさんいます。この今の時代、物騒ですからね。彼女、最近街のチンピラに襲われたそうですね?」

「あぁ、それであわてて娘に護衛をつけたところだ」

尊・「そのチンピラ――彼女が金で雇った人たちです。完全なる自作自演です」

「嘘だ。嘘だろ?嘘なんだろ?」

「そんなのどこに証拠があるのよ?私が雇ったっていう。お義父さん、嘘に決まってるじゃない。どうせ、お金目当ての街のチンピラよ」

キ・「それがねぇ。貴女がやっつけた後にここの聡クンが治療して色々教えてもらったのヨ。確かに街のチンピラだけど当面のお金目当てじゃないワ。お金は銀行振り込みだもの。銀行のカメラに貴女が映ってるんじゃないかしら?」

「そりゃあ銀行は利用するから映るでしょうね。うちのお金の出し入れは私が父の命を受けてしてるから」

聡・「銀行振り込みの話もそうだけど、街のチンピラからたしかに貴女から依頼を受けたと聞いた」

「嘘よ」

悟・「いやぁ、自分を治療してくれた人に嘘吐くかなぁ?」

尊・「命の恩人だもんなぁ……」

聡・「大袈裟だな。治療っていうよりか、手当てだなありゃあ」

尊・「えー、それでも何もしない人よりずっと信用できる。見ず知らずの人ならなおの事!」

「……」

「おい、お前の自作自演だったのか?」

「……」

「無言は肯定の意味だぞ?」

「……」

尊・「だそうです。調査の結果、息子さんたちは互いに殺し合い、娘さんは以上のようなことをしました」

「ふーむ、そうか。お前たちにはガッカリだ。失望した。では、子供たちに遺産を残すことはしない。人道に反するような人間に私の財産を残したくない」

聡・「どうしますか?あなたの御遺産?」

「4分の3を孤児院に寄付する。残りはここに寄付することとする」

聡尊悟・「「「いいんですか?」」」

「ふむ。ここにはうちの子がさんざん迷惑かけているからな。それに調査の情報屋さんにも払わんといけないだろ?店だって、我々が占拠しなければ営業できたわけだし」

~その後の依頼人

キ・「あの父は子供を一斉に勘当したみたいヨ。自分の世話には専門の業者に委託するみたい」

尊・「へぇー。うちに遺産の4分の1を残してくれるみたいだけど、あのオッサン……しばらく死なないよな」

聡・「医者の目で見てもそう思う。車いすはポーズだな」

悟・「今回の騒動はまさに自分で蒔いた種(子種)って感じだよね」

キ・「代表専務って名誉職だったみたいだし、彼女もそこそこ小遣い貰ってたみたいだから、贅沢しなければまともに食べていけるんじゃない?」

聡尊悟・「「「ゔぁー‼」」」

キ・「どうしたの?」

瀬・「いかがなさいましたか?」

瀬蓮は突然現れる。

聡尊悟・「「「“お命頂戴致します”ってやってない!むしろ頂戴してない!」」」

キ・「遺産でいいジャナイ?」

私は思うのです。王子としても人間としてもなかなか成長をしてるんじゃないかなぁと。キャサリンを使っての情報収集。人を使うという能力も養われるのでは?と思います。果たして私の思いは坊ちゃん方に届くのでしょうか?

Continuez à lire ce livre gratuitement
Scanner le code pour télécharger l'application

Dernier chapitre

  • お命頂戴いたします~オーナーは異世界から来た3兄弟王子   Case.21 突然の閉店と移住~王宮で始まる新たな日々~

    「え?『一身上の都合によりしばらく休業』って??」「うそー!!癒しを求めて来たのに!!」そう、俺ら家族+αはクーデターもおさまっただろうけど、安定してないだろう国をどうにかするため、帰国することにした。キャサリンは店(おかまバー)の権利書を丈一郎に渡したらしい。キ・「ジョナサン、この店はあんたに任せるワ。私はしばらく留守にするから、この店と働く皆のこと、頼んだわネ」丈一郎(源氏名がジョナサンなので、以下ジ)・「キャシー姉……。キャシー姉がいないなんてジョナサン悲しい!」キ・「こら、我儘言わないの!私だって悲しいケド、あの3兄弟が行くって言うから…」ジ・「え?!聡さんも尊さんも悟クンもいなくなるの?」キ・「イケナイ!口がすべっちゃった。てへっ♡」ジ・「必ず、必ず!みんなで戻ってきてくださいね!あたしはこの店を守って待ってますから!」キ・「頼んだわヨ!ジョナサン!」 なるやりとりがあったらしい。女(?)の友情だな~と思った。聡は国王だなー。そうすると、緑さんは王妃か?俺・尊と悟は王弟か? キャサリンは向こうに行ってもお店開きそうだな…。裏稼業が情報屋の。瀬蓮はどこでも俺らの執事ポジションだよなぁ。 俺は軍部を何とかしたいなぁ。悟は何するんだろ?緑楓・「「へぇー、これが聡尊悟クンの故郷かぁ。あ、キャサリンと瀬蓮も故郷なんだよね!」キ・「そうよぉ。ま、わからないことあったらなんでもお聞き!」瀬・「私はいろんな世界にいましたからなぁ。でもここが一番長いでしょうか?」緑楓・「「中世ヨーロッパちっくよねぇ」」キ・「でもちゃんと上下水道の設備はしっかりしてるのよ。服装も今のままでわりとだいじょうぶかな?うーん、王宮に入るにはちょっと……」瀬・「もうちょっとフォーマルな格好の方がいいですかな。坊ちゃんたちもですぞ」聡尊悟・「「「坊ちゃんはやめて!特にこっちの世界で!」」」 俺達は各々スーツなどを着て、王宮入りした。「そこの集団!止まれ。この先は王宮だ。招待客又は身分がしっかりした者しか入れない。当然身分を示すものを持っているんだろうな?」 王宮の門番の下品な笑み。なんだろう?自分がマウントをとった気でいるんだろうか?聡・「これでいいか?」 と聡兄が見せたのは、聡兄のコンプレックスである色素が薄い瞳。遺伝らしい。「はっ、これは王

  • お命頂戴いたします~オーナーは異世界から来た3兄弟王子   Case.20 強敵 SNS!~盗撮拡散と“治外法権”の制裁~

     この‘お命頂戴致します。’のルールとして、店内での写真は禁止していた。……がしかし、誰が盗撮したんだろう?俺達3兄弟、及び瀬蓮と緑さん、楓がSNS上に写真で投稿・拡散していた。 俺達だけならともかく、緑さんと楓は迷惑だ。 書かれているのは、緑さんについては、「この程度の女が幻の聡クンの心を奪ったの?」等、楓については「えー、尊クンの趣味疑っちゃうかも。店には他にも美人がいっぱいいたはずなのにー!!」等。どうやったのか、瀬蓮の写真もある。瀬蓮の写真を撮るとはなかなかの強者だ。キャサリンが「え~!アタシが仲間外れなの?ちょっと凹むかも~」とややKYな発言を頂いた。このサイトについて、緑さんと楓には見ないように指導を……楓・「尊~見て~。私の事かなりこっぴどく書いてあるよ?なになに?尊の趣味を疑う?」手遅れだった……。せめて緑さんは見ないようにして欲しい。繊細そうだし。あ、経理と家事で忙しくてサイトを見る暇ないか……。尊・「瀬蓮、このサイトを書いた人を突き止めるように!何しろ盗撮してるんだからな。盗撮は犯罪です」瀬・「かしこまりました。法律に詳しい部下もおります故、早急に突き止めたいと思います」 SNSというのは拡散するからタチが悪い。出元のサイトに行きつくまでにかなりの手間がかかる。どうせ拡散するなら店の評判でもしてほしい。 こんなことは望んでいなかった。翌日の店は女性客でいっぱいになった。「うわー、ネットで見るよりイケメン!」「本当に3兄弟なの?ここ、2人しかいないじゃん」「えー、瀬蓮ってどこにいるの?イケオジだったから来たのに!」 兄貴はこうなる事を予見していたのか、うちにひきこもった。家事手伝いをしている。 瀬蓮は普通わからない。今日は、というか連日サイトの出先を突き止めようとしている。 ハッキリ言って、迷惑なくらい客が入っている。緑さんは家事してるから、出てこないし、楓は出てこないように厳命している。掃除機くらいは使えるだろう。 つまり、いるのは俺と悟だけという事になる。 凄まじい人の量の接客をし、やっとこさ店を閉めることが出来た。悟・「俺…ラテアートをめっちゃしまくった。もう一生分かも」尊・「SNSで拡散している以上、これが続くだろう」悟・「俺、大学に避難しようかな?」尊・「バカヤロウ!俺を一人にするな!一

  • お命頂戴いたします~オーナーは異世界から来た3兄弟王子   Case.19 久我家の嫁たち~王妃と武闘派妻の井戸端会議~

     無事に聡様も尊様もご結婚なさり、この瀬蓮は感無量です。瀬蓮としましては、お二方の御子を……と思うのですが、それは神のみぞということで、年寄りは口出ししません。 以下は、お二人の伴侶様の会話となります。「緑さんは、聡さんと結婚してどのくらい経つの?」「1年も経たないかな?なんかこの部屋、熱いわね。暖房でも入れてるのかしら?」「えー!新婚さん!お二人の馴れ初めは?」「どっかの芸能リポーターみたいよ?うーん、私はただのお客としてこの店に来たんだけど、人見知りの聡さんが私とは会話をしてくれて……」「うわー、聡さん積極的というか何というか。そうよね、私とも未だに目も合わせてくれないし。ちょっと凹むわ~」「あ、それは聡さん瞳の色にコンプレックスがあるからかも。私の瞳の色は緑でしょ?それで、仲間意識あったのかも」「ところで、緑さんは向こうの世界だと王妃様みたいね?」「そうなのよ~。平凡な経理だと思ってたんだけどね。瀬蓮から聞いたわ。なんだかクーデターがあって聡さんのお兄さんが亡くなったらしいのよ。それで、王位継承権でいうと聡さんが次の王らしい」「クーデターねぇ。よっぽど、民が不満持つような政治してたんでしょうねぇ」「そうよねぇ。私はここで平凡に経理して、家事をしていたかったんだけど、そうもいかないみたいで……。王妃というと、外交かしら?王妃教育みたいの受けてないけどいいのかしら?」瀬・「いいのです。クーデターが起きたのです。政治も様変わりするでしょう。王制ではなくなる可能性も出てきます。民主政治になるのでは?とこの瀬蓮は思っております」「「瀬蓮さんが言うなら心強いわ」」瀬・「恐れ入ります。あと、『さん』をつけずにどうぞ、呼び捨てでお願いします」「「わかったわ」」「楓さんこそ、尊クンとの馴れ初めは?」「うーん、『お見合いを潰して欲しい』って依頼をしてそのまま流されるように婚約、結婚って感じかなぁ?」「……色気がないわね」「そうなのよね。結果として、強いイケメンと結婚できてラッキーみたいな?」「そうなんだ……。私はちょくちょく店に通うようになって、『好きかも?』って思うようになったけど、そういうのもアリなのね」「あー、今は私がまだまだ弱い認定されてるから、瀬蓮に日々鍛えられてるわよ」瀬・「楓様は筋がよろしいかと思います」「そして、悟

  • お命頂戴いたします~オーナーは異世界から来た3兄弟王子   Case18. 喫茶店、再開!~お見合い破壊と尊の恋の始まり~

    悟・「あーあ、緑さん、料理上手だったし、ずっとこっちにいればよかったのに~」尊・「それは言わないお約束だ」悟・「アレ?尊兄は向こうで仕事しなくてもいいの?」尊・「ふふ、部下が優秀だからな」悟・(瀬蓮手配の人かなぁ。いいなぁ。大学は他人に任せるとか無理だし)「「いらっしゃいませー」」SNSで見た通り、超イケメンね。フラッシュで写真撮ったらフラッシュアウトで消えるんじゃないかしら?神々しいわ。「ご注文はお決まりですか?」「えーと、カフェラテを一つ。ラテアートはドロップで」「かしこまりました。しばらくおまちください」 2時間後尊・「お待たせしました。それで、ご用件は?」「非常に言いにくいのですが……あの…私のパートナーとしてお見合いをぶっ壊してください」尊・「ええと、つまりあなたは自分の意志とは無関係なお見合いをさせられそうで、それがいやだから、そのお見合いをぶっ壊してほしい。ということですか?」「はい!」(今までも俺らとデートしたいとかそういう依頼あったんだよなぁ。その類だろうか?)尊・「では、一週間後にまたここに来てください。お見合いはいつですか?」「1か月後なので大丈夫です。一週間後にまた来ます。それではよろしくお願いします」尊・「そういうことなんだけど、キャサリン頼む!彼女の身辺を調べてくれよ」キ・「お見合いをぶっ壊す程度に尊クンを利用しようなんて、百億年早いのよ!フンっ。あ、尊クンの依頼はきちんとこなすわよ。もーあの女の毛穴の数まで調べつくすワ!」尊・「毛穴の数は必要な情報じゃないんだけど……」~お見合い当日尊・「お嬢さんとお付き合いをしています。久我尊と申します」「なんだね?若造が!?」尊・(二人とも若造だと思うけど?)尊・「楓さんと交際をしているんです。お見合いはやめてください」「そんなことは、お主が決める事ではない!」尊・「…では、拳で決めましょうか?」「面白いことを言うな。道場主で師範代の儂よりも強いという自信があるようだな?そんなのは格闘家の中でも一握りだな」楓の家にある道場で決闘をすることに決まった。俺は思うのだが、いつも瀬蓮と手合わせしてる俺と対等に戦うのは結構難儀なんじゃないかなぁ?自信過剰だろうか?とりあえず瀬蓮は最強だと思うから、そんな瀬蓮と普段やりあってるから、俺もそれなりに強くな

  • お命頂戴いたします~オーナーは異世界から来た3兄弟王子   Case17.3兄弟、帰郷する~奪われた王国と新たな即位~

    瀬・「大変でございます!あの世界で王家がクーデターに倒れました。現在、国を掌握しているのは件の侯爵閣下だとか……」尊・「よほど王家を掌握したかったんだね。本当は聡と娘を結婚させて裏から掌握したかったんだろうけど、緑さんと結婚しちゃったもんね~」緑・「私のせいなんですか?」悟・「違う違う!そもそも侯爵閣下は国を掌握したかったみたいだし」瀬・「それでですね…クーデターにより、お父上と第1王子がお亡くなりになりました。幸い(?)坊ちゃん方はこちらにいらしたから被害はありませんでしたけど」尊・「と、いうことは?聡兄が王位継承権第1位で即国王じゃん」緑・「えぇ~!私、王妃なんですか?」聡・「まぁ、そういうことになるけど。はぁ、俺はこっちでのん気に生活したかった…」尊悟・「「わかるー」」瀬・「第4王子もいらっしゃいますが、このまま即位なされれば侯爵閣下の傀儡になること間違いなしでしょう」聡・「そうだろうね。瀬蓮の部下にあの国の政を任せられるような人材はいない?」瀬・「無茶を仰りますな。玉璽もありますし、国王のサインに他国との外交」聡・「あ、俺外交無理。3人で協力してこっちの喫茶店と国の経営をできないかな?」瀬・「公の場には国王として姿を現した下さいね」緑・「私は国の経理を担当するわ。なんなら過去の帳簿もチェックして、横領とか洗い出すし」聡・「心強いな」尊悟・「「惚気かよ?」」尊・「俺は軍部をなんとかしよう」聡悟・「なんとかって?」尊・「んー、現体制の立て直しとか?」悟・「俺は…大学の出席日数とか気になる…」瀬・「悟様は異世界の方でキャンパスライフを!」悟・「丈一郎いるけどなぁ…」 こうして、俺達は元の世界に戻った。そして、力尽く実権を侯爵閣下から奪い取った上で、聡の即位と婚姻を国民に知らしめた。  現体制にはみっちりと瀬蓮に仕込まれた俺・尊と聡兄と緑さん。緑さんは家事をしなくてよくなったので、経理に力を注いだ結果、貴族の中の膿を取り除くことに成功した。 聡兄はもともとレアキャラ(笑)なので、この世界にいるままどうしてもの時は瀬蓮に呼びに行ってもらう事にしている。実際、手術が必要な依頼は最近無いし。緑さんはこの世界にいたまま。異世界で家事をするのが俺か悟になるので、俺らの負担が増えた。 喫茶店の方は常に悟がいる。あ、大学で

  • お命頂戴いたします~オーナーは異世界から来た3兄弟王子   閑話 聡の婚約~運命の出会いは突然に~

    瀬・「聡様!お喜びください!聡様の条件に当てはまるような令嬢が見つかりました!」聡・「えーと、俺が出した条件は、確か家事全般出来て、経理も可能、見目麗しく、芯がしっかしている…だったかな?」悟・「そんな人間いるの?」瀬・「瀬蓮が探し当てました!えー、元の世界の侯爵令嬢ですので、こちらの常識を学んでいただく必要はありますが、侯爵令嬢にもかかわらず、家事全般が可能。侯爵令嬢ですので、そのうち元の世界に戻った時に文句を言われることもないでしょう」尊・「忘れてたけど、兄貴は第2王子だもんなぁ。そんな俺は第3だけど」悟・「俺は第4だったっけ?」瀬・「坊ちゃん方は疎まれてらっしゃいますから、この世界に来たのです」聡尊悟・(そうだった……。)瀬・「近いうちにこちらの世界に連れてきます。侯爵令嬢ですが、侯爵閣下は王家とコネクションができるのだから、いい話でしょう」聡・「政略結婚ということになるのか?」瀬・「おや、聡様は恋愛結婚を希望で?しかし、聡様の条件に当てはますような方との出会い              があるでしょうか?」聡・「……」「「いらっしゃいませー」」尊悟・「しまった!closeにしてなかった」「あら、SNSでは清潔感のあるってあったのに、埃見っけ!あ、ゴメンなさい!私、めざといんです」聡・「すみませんが、あなたのお名前をお聞きしてもよろしいですか?」尊悟・(あの人見知りの激しいレアキャラ(笑)の聡兄が話しかけている!)「えーと、私の名前は緑といいます。ほら、瞳の色が緑色でしょう?」聡・「……カラーコンタクトしているみたいなんですけど」緑・「あぁっ、またやっちゃった。私いつもなんですよ、普段は税理士事務所で経理を担当しています。一応しっかりしたキャラなんですよ?」聡・「今更聞いても……。あ、失礼。私の名前は久我聡で、3兄弟の長男です」緑・「この店はSNSでイケメンが経営しているって有名ですよね?でも、2兄弟って……」聡・「実は私は人見知りでそうそう人前に出ないんですよ。だからかなぁ?」尊・「瀬蓮。あの二人、会話が盛り上がってるみたいなんだけど?」瀬・「そうでございますね。聡様が人見知りをしていない点も良いですね。経理を担当しているようですし、聡様の理想にかなり近い人材かと考えます」 その後、緑さんはちょくちょく‘

  • お命頂戴いたします~オーナーは異世界から来た3兄弟王子   Case. 5 離農したい甘ったれ農家

    やっぱ田舎から出てくると、迷うな。おのぼりさんに見えるんだろうか?‘お命頂戴致します。’って物騒な名前の喫茶店はここで合ってるよな?「「いらっしゃいませー」」 うおぅ、キラッキラのイケメンだよ。SNSの評判予想を上回る感じだな。「ご注文はお決まりですか?」「えーと、カフェラテを一つ。ラテアートはドロップでお願いします」「では今しばらくお待ちください」 カフェラテって何だ?ラテアート?もっとネットで勉強すべきだったな。―――1時間後「お待たせしました。ご用件はなんでしょう?」「俺を見てわかると思うが、俺は農家だ。離農したいんだ。その手伝いをしてほしい」尊・「わざわざここに来

  • お命頂戴いたします~オーナーは異世界から来た3兄弟王子   閑話 悟の悲劇(?) ~ジョナサン襲来

    とある日常、兄弟の末っ子・悟が普通に学校に行った。「ラッキー!朝から眼福。悟クン見ちゃった♡」「え~、わたしは見逃した。んー!くやしー!!」「わたしは教室で見れるし~!」「「い~な~」」というのが悟の通う大学の朝の光景。 朝から実にめんどくさい。悟は医療系短大に通っている。悟は看護学科。当然のように女子が多い。悔しがってたりするのは悟とは違う学科若しくは学年の生徒なのだろう。「えー、今日は編入生を紹介する」(看護学科にねぇ。モノズキがいたもんだ)「名前は中野丈一郎君だ」「「きゃー、オトコよ!男子歓迎」」(中野丈一郎……ん?まさかな?)「中野丈一郎です。で・も、性転換手

  • お命頂戴いたします~オーナーは異世界から来た3兄弟王子   Case.4 歌声とギャラの行方

     ここだよな、SNSで噂の喫茶店‘お命頂戴致します。’は。物騒な名前だけど、大丈夫か?「「いらっしゃいませー」」 うおっ、イケメンキラキラ☆ 慣れてるとはいえ、いきなりはビビる。そういえばSNSではイケメン兄弟が経営してるって話だったな。ここまでとは……。「ご注文伺いしてもよろしいですか?」「あー、えーと。カフェラテを一つ。ラテアートはドロップで」 あんまり声出すと周りにバレるんだよな。ヒヤヒヤもんだ。人気者は困るぜ、全くよぉ……。「かしこまりました。では、しばらくおまちください」――2時間後「『しばらく』って2時間かよ?俺は少ない時間の中でここに来てんだ。時間がないから単刀

  • お命頂戴いたします~オーナーは異世界から来た3兄弟王子   Case.2 家族を守りたい母の願い

     ここでいいのかしら?マユツバだけど、私にはもうここしか縋れるところはない!「「いらっしゃいませー」」 あらまぁ、イケメン兄弟が経営しているのねー。仲いいのかしら?ちょっと目頭が熱くなった。うちの子達と比較しちゃダメよね。「カフェラテで、ラテアートはドロップ……」「では、しばらくお待ちください」 待つこと1時間。若い女の子が多かったわね。仕方ないわ、だってイケメン兄弟が経営してるんだもの。「で、用件は?」「私を殺してください!“お命頂戴致します”だからできるでしょう?」(うーん、参った。実際には殺生はしてないんだよねー。自分の命を懸けてもいいものを依頼によりけりで壊してはい

Plus de chapitres
Découvrez et lisez de bons romans gratuitement
Accédez gratuitement à un grand nombre de bons romans sur GoodNovel. Téléchargez les livres que vous aimez et lisez où et quand vous voulez.
Lisez des livres gratuitement sur l'APP
Scanner le code pour lire sur l'application
DMCA.com Protection Status